仏教世界を体感できる唯一無二の大仏様
まるで黄泉の国を訪れたかのような世界観
真下から見上げると迫力倍増です
心静かに写経も体験できます
願証文で阿弥陀様にお便りを伝えましょう
天気が良ければ誰でも金箔を貼れます

牛久大仏|親鸞聖人のご縁をつなぐ世界一の大仏様

世界各地から参拝客が集う、牛久大仏。青銅製仏像として世界一の高さを誇り、ギネス世界記録にも登録されています。さまざまなメディアにも頻繁にとりあげられ、もはや知らない人はいないと言っても過言ではないほど、茨城でもっとも有名なスポットのひとつです。世界に誇る我らが茨城の名所、だからこそ知っておきたい、牛久大仏の深くて良いところをご紹介いたします。

このような方にオススメします!

牛久大仏は正式名称を「牛久阿弥陀大佛」といい、摂取不捨印という印相(仏様の手の形)を結んだ阿弥陀如来の立像です。この印相は、阿弥陀様の元に集められたものは、すべて見捨てず仏の世界へ救い上げるという心を表しているといわれます。実際に宗教者宗派を問わず、さまざまな人が訪れる実に寛容な場所になっていますので、どなたでも気兼ねなく訪れることができます。

訪れるときの気持ちの状態に合わせ、写経や願生文、金箔荘厳から自分に合ったものを選んで実際に体験してみましょう!

牛久大仏について

御本尊阿弥陀如来
御利益心願成就
宗派浄土真宗東本願寺派
創建1993年(平成5年)
地上高120m
重量本体主鉄骨 3,000t
外被銅板重量 1,000t

牛久大仏と親鸞聖人

茨城県牛久市にある牛久大仏。ギネス世界記録にも登録されているその大きさばかりに注目が集まりがちですが、実は牛久大仏はれっきとした浄土真宗東本願寺派の寺院でもあります。浄土真宗といえば、その宗祖である「親鸞聖人(しんらんしょうにん)」は歴史教科書にも載るほど高名な人物です。本願寺と言えば、京都にある東西の本願寺や築地や浅草の本願寺を思い出す方が多いでしょう。戦国時代の歴史に詳しい方ならば、大阪にあった石山本願寺などもご存知かと思います。

さて、ではなぜこの茨城の地に、大仏様が建立されたのでしょうか?

実は親鸞聖人と縁の深い茨城県

1173年に生まれた親鸞聖人は、わずか9歳で出家。比叡山での20年に渡る修行の後、法然に入門して仏の道を学んでいた親鸞聖人は、とある事件に巻き込まれ越後国(現在の新潟県)に配流されてしまいます。やがて流罪が赦免となると、東国への布教活動を志し、1214年に家族や門弟を連れて越後を出発。信濃国(長野県)や上野国(群馬県)を経て、現在の茨城県下妻市小島に「小島の草庵」を結び、次いで1216年には城里町に「大山の草庵」を、そして現在の笠間市である笠間郡稲田郷の領主に招かれ「稲田の草庵」を結び、この地を拠点として精力的な布教活動を行ったという記録が残っています。62歳頃に京都へ戻るまでの約20年を常陸国(現在の茨城県)で過ごし、稲田の草庵において親鸞聖人の主著である『教行信証』を約4年の歳月をかけてその草稿を撰述したとされています。京都に戻ってからの親鸞は著作活動に励むようになったと伝わっており、常陸に残った高弟たちとは頻繁に手紙をやりとりしたと伝わります。ちなみに、稲田の草庵は「西念寺(さいねんじ)」(別名:稲田御坊)として浄土真宗立教開祖の聖地として真宗門徒の尊敬を集めています。

こういった経緯から、親鸞聖人および浄土真宗と、常陸国(茨城県)とは深く古いご縁があったわけです。

より多くの人を極楽浄土へ―牛久の地に建立した理由。

牛久大仏は、東京浅草に本山がある浄土真宗東本願寺派による建立です。親鸞聖人とご縁のある茨城県内で、特に交通の便の良さを重視したところ、JR常磐線や常磐自動車道、そして圏央道が近くを通ることが確定しており、成田空港からの往来もしやすいことから、牛久の地に建立が決まったそうです。

より多くの人が訪れやすい地に建立するという事は、それだけ阿弥陀如来による極楽浄土への導きによって救われる人が多い、ということでしょう。実際に建立から約30年となる牛久大仏には、日本全国はもちろん、東南アジアの仏教国をはじめとする諸外国からもたくさんの参拝者が訪れています。

親鸞聖人がいた鎌倉時代の昔からご縁が続き、いま、この茨城県牛久市に大仏様があること、茨城県民としてぜひ心のノートに記しておきましょう!

親鸞聖人のお墓“本廟”が苑内に!

左手前八角形の池の中心が本廟です

牛久大仏のある「東本願寺本廟 牛久大仏牛久浄苑」の園内には一般の方の墓地が大仏様の眼下に広がっています。その中でも、大仏様の右目と右手から一直線に伸びた先に、八角形の池に囲まれた小島のようなところあります。実はこちら“本廟”といって親鸞聖人のお墓なのです!

牛久大仏が出来る前から牛久市に住んでいる筆者も、実は最近そのことを知り、今回の取材で初めてお参りしました。本廟の中にまでは入れませんが、池の手前の通路の位置までは誰でも自由に参拝することができます。駐車場からは徒歩で5分ほどかかりますが、きれいに整備された本廟と、ここから見える大仏様はまた格別に美しいですよ。そして、親鸞聖人とのご縁を最も近く感じられる場所でもありますので、牛久大仏を訪問の際は、ぜひ訪れてみてください!

この先に親鸞聖人が眠っていると思うと感慨深い

仏教世界が表現されている園内は見所が豊富!

駐車場から仲見世通りを抜け、園内への入場を済ませると、大仏様を右手に仰ぎつつ、大仏様の正面に向かって進んで行きます。途中、実物大の螺髪や顔はめパネルなどを楽しみながら進みます。

大仏様の正面位置まで来ると立派な門が。大仏様への入口となる發遣門です。門の中にでは親鸞聖人の像が出迎えてくれる他、喚鐘(かんしょう)もあります。發遣門を抜けて数メートル進んで振り返ると、門の二階部分に釈迦三尊の仏像が見えます。そして、そのガラスに牛久大仏のお顔が反射して見えます。「釈迦弥陀二尊が拝めます」という案内板は、門の二階に安置されてる中央の釈迦牟尼佛、二尊は右が弥勒菩薩、左が阿難尊者と、映り込んだ牛久阿弥陀大佛という合計4体の仏様の像が拝める絶好のポイントという意味です。

さらに参道を進むと日本一大きいという「大香炉」が。さらにその先の右手には「本願荘厳の庭」という東本願寺に古くから伝わる鎌倉時代の作庭文献「山水秘伝抄」に基づいてつくられたという伝統的な浄土式庭園があります。

牛久大仏の胎内は独特の世界観が広がる

1階 「光の世界」

大仏様の胎内に入ると、暗闇の中に射す一条の光に目を奪われます。一体の仏像が煌々と照らされる美しい「光の世界」が表現されています。右手の側面には色とりどりの12個の光の中に、こちらも仏像が。これは十二光(じゅうにこう)といわれる、阿弥陀如来の光明の功徳の働きを12種類にわけたものを表現しています。十二の光はそれぞれ、無量光・無辺光・無碍光・無対光・炎王光・清浄光・歓喜光・智慧光・不断光・難思光・無称光・超日月光と言われます。ちなみに、牛久大仏が120mというのは、この十二光がもとになっているそうです。

阿弥陀如来の十二の光明を表現する、12個の光る仏像。

大仏様の胎内空間は、1階「光の世界」、2階「念仏の間」・「知恩報徳の世界」、3階「蓮華蔵世界」、4・5階「霊鷲山(りょうじゅせん)の間」・「展望台」という構造になっています。5階建てではありますが、3階から5階へは高層エレベーターで一気に上昇し、展望台は大仏様の胸の部分で地上から約85mもの高さになります。

2階 「念仏の間」

牛久大仏完成までの様子が展示パネルに

2階「念仏の間」では、牛久大仏の歴史や構造、建築時の写真などがパネル展示されており、世界一の青銅製仏像・牛久大仏がどのように出来上がったのかを楽しみながら学ぶことができます。足の指先端の実物大模型などもあり、フォトスポットとしても人気です。

4・5階 「霊鷲山の間」・「展望台」

地上85mの胸の部分からの眺め

次いでエレベーターで4・5階へと上がります。「展望台」では發遣門からの参道を見下ろすことができます。晴れた日には霞ケ浦や筑波山だけでなく、遠く東京スカイツリーや富士山も望めます。「霊鷲山の間」は、釈尊の御遺骨の仏舎利が安置されており、釈尊の誕生や入滅を説明するパネルの展示があります。なお、霊鷲山とは、釈尊が法華経を説いた山として知られるインドの地名です。

3階 「蓮華蔵世界」

毎日朝夕、僧侶によるお勤めが行われている

再びエレベーターで3階へと降りると、全面金色の「蓮華蔵世界」が広がります。約3,400体の阿弥陀如来像(胎内仏)が壁一面に安置されています。一般的なお寺の本堂にあたる部分でもあり、毎日朝夕には僧侶によるお勤め(読経)が厳粛な空間に響きます。お勤めの様子は誰でも見ることが出来るだけでなく、時にはお坊さんによるご説法を拝聴できる場合もあるそう。お勤めの時間に合わせて拝観される方も増えているそうです!

2階 「知恩報徳の世界」

77席ある写経台。

そして、2階の「知恩報徳の世界」に進むと、壁に沿って写経台がずらりと並んでいます。ここでは、誰でも気軽に写経を体験できます。半紙にはお経が薄く印字されているため、それをなぞるように書くだけで簡単にできます。また、フロアの中心部には「念仏の間」という空間があります。畳敷きの広間は誰でも自由に入ることができます。中央の祭壇の壁面は窓になっており、この窓からは1階の「光の世界」の仏像を見ることができるようになっています。また、テーブルや椅子も用意されているので、正座での写経が難しい方はこちらで写経体験をすることも可能とのことです!

念仏の間

見るだけではなく、仏教世界を“体感”しよう!

牛久大仏は、見るだけでももちろんその大きさを楽しむことができますが、園内各所で出来るさまざまな「体験」を通じて仏教世界を身近に感じることが出来るのも大きな魅力です!

願生文で阿弥陀様に「今の気持ち」を伝えよう

願生文 500円

發遣門前の願生文ブース

浄土真宗では、現世での願い事を唱えることはしません。そのため、願い事を書く「絵馬」は存在しません。その代わりにあるのが「願生文(がんしょうもん)」です。願生文は、阿弥陀如来へと届けられるメッセージのようなもの。今の気持ちや感謝の気持ちなどを裏面の「願事(がんじ)」に書き、願生文掛けに掛けます。集められた願生文は、一定期間ごとに僧侶によってお焚き上げがされ、阿弥陀様の元へとメッセージが届けられます。

阿弥陀様にお手紙を出すつもりで書いてみて

園内では、願生文を書くことが出来るブースが3箇所設けられています。1ヵ所目は發遣門の前、2ヵ所目は4階のエレベーターホール手前、3ヵ所目は2階「知恩報徳の世界」に設置されています。

阿弥陀様に感謝の気持ちを伝えたい方はもちろん、なにか自分の気持ちに区切りをつけたい方誰にも言えないことを聴いてもらいたい方など、ぜひ願生文を書いてみましょう!

「写経」で心静かに自分を見つめなおそう

写経(回向文) 200円

写経というと、難しく時間もかかるイメージですが、牛久大仏の2階「知恩報徳の世界」では約30分・200円と、気軽できる写経体験が人気です。コロナ以前には経文の種類が選べましたが、現在はコロナ対策による混雑緩和のために「回向文(えこうもん)」と呼ばれる最も短いタイプのみとなっています。

回向文の写経見本

とはいえ、なかなか30分間じっくりとお経を書き写すという時間は、普段の日常では得難いもの。心静かに写経に臨み、自分の心と向き合う時間にしてはいかがでしょう。なお、回向文の現代文訳は「願わくはこの今日の功徳を ひとしく衆生に施されますように 同じく人々皆が菩提の心を起こし 清浄安楽の浄土に往生しますように」という意味となっています。

選べる写経台も人気!

「知恩報徳の世界」の壁際にずらりと並べられた写経台の上には、壁面に清らかで可愛らしい絵が飾られています。絵にはそれぞれ「言葉」が添えられており、どれも味のある一枚となっています。その時の自分の気持ちに合う絵や、グサリとささる言葉の書かれた絵、直感で選んだ絵など、自分の気に入った絵の下で写経をすることも人気となっています。

それぞれ個性のある絵が飾られている

ちなみに、こちらに飾られている絵は、牛久大仏の運営主体である浄土真宗東本願寺ゆかりのお坊さんが描いたものだそう。絵をまとめた冊子はお土産売り場でも人気だそうです。

書籍:百佛百花抄 Ⅰ・Ⅱ 各990円 / 日めくりカレンダー 1,320円

感謝の気持ちを込めて、蓮台に金箔を貼ろう!

金箔荘厳 1枚 300円

牛久大仏を近くから見ると、蓮台の一部に金色に輝くところがあるのをご存知でしょうか?これは、参拝客が一枚一枚、小さな金箔のシートを貼ったものです!

大仏様を蓮台から見上げると…

日本人だけでなく、海外からの参拝客も多い牛久大仏。特に海外から来られた方は、自分が参拝した証と、阿弥陀様への感謝の気持ちを込めて、金箔貼りをしていく方が多いそうです。

この金箔貼り体験は、正確には「金箔荘厳」と言います。2階「知恩報徳の世界」の奥に、蓮台部に出られる扉があり、その前に下記写真のブースが設置されています。阿弥陀様、牛久大仏への報恩・感謝の心を込めて、ぜひ拝観の際には金箔を一枚ずつ貼りましょう!いつか蓮台全体が、黄金色に染まることを楽しみにしています!

この銅製の仏像も金箔が貼られてピカピカに!

※風の強い日や悪天候の時は、蓮台は危険なため封鎖となっていますのでご了承ください。

牛久大仏の広大な園内には、今回紹介した以外にも見所や楽しめるポイントがたくさんあります!茨城の特産土産などが売っている「仲見世通り」や食事が楽しめる「お食事処利根」、季節によって色とりどりのお花を咲かせるお花畑、お子様連れも楽しめる「ふれあい動物園」や「お猿のステージ」など、家族がゆっくりと過ごすための施設が豊富に整っています。お1人でも家族とでも、多様な楽しみ方が出来る牛久大仏。ぜひ、楽しみながら親鸞聖人の教えに触れ、そして仏様のご縁に触れてみてください。

※ふれあい動物園:日祝のみ開園(12月・2月はお休み)
※お猿のステージ:金曜のぞく毎日開催(12月・2月は日祝のみ開催)

基本データ

正式名称東本願寺本廟 牛久大仏牛久浄苑
別称牛久大仏(牛久阿弥陀大佛)
所在地茨城県牛久市久野町2083
電話029-889-2931
拝観時間 3-9月 9:30~17:00(土日祝~17:30)
10-2月 9:30~16:30
※受付終了は閉園30分前 
休園日年中無休
拝観料胎内拝観込み 大人800円 子供400円
庭園のみ拝観 大人500円 子供300円
※大人は中学生以上、子供は4歳~小学生。
URLhttps://daibutu.net/index.html
駐車場無料駐車場あり
アクセス圏央道阿見東ICより車で3分
拝観料金等の詳細は、牛久大仏公式サイトをご覧ください。

アクセスマップ

この記事を書いたのは

茨城開運管理人
茨城開運管理人茨城開運ポータル管理人
茨城開運ポータルの管理人。開運というキーワードで茨城をもっと楽しく!という気持ちで、このサイトを作っています。鑑定歴20年の運活カウンセラーでもあります。

関連記事

  1. 春草堂|自分の「宿命」「運命」を知る

  2. 東城寺|風情ある山寺に響く梵鐘の音

  3. 女化神社|謎多き伝説が眠るお稲荷様

PAGE TOP