阿弥陀如来

glossary-eyecatch

阿弥陀如来(あみだにょらい)は、大乗仏教の如来の一つである。浄土教系の仏教では、「南無阿弥陀仏」という称名念仏により浄土に往生できるという阿弥陀信仰を説く。西方にある極楽浄土という仏国土(浄土)の教主とされる(東方は薬師如来)。五智如来においては、西方に位置する観自在王如来と同一視するが、真言宗では阿弥陀が法蔵菩薩であったときに師事した仏として、別尊とする。

阿弥陀仏信仰を主題とする経典としては、『無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』の「浄土三部経」がある。『無量寿経』によると、久遠の昔、世自在王(せじざいおう)仏が出現されたとき、阿弥陀仏は、法蔵比丘という菩薩であったが、無上なる悟りを得ようと発心し、生きとし生ける者を救済するための本願(以前の誓願)として四十八願をたて、五劫という途方もなく長い間修行を重ね、ついにその誓願と修行を成就して、いまから十劫というはるか以前に仏となった。この仏は阿弥陀仏とよばれ、ここより西方の十万億仏土を過ぎた安楽という浄土において、現在も教えを説いているという。

このような阿弥陀仏とその浄土については、このほかにも多くの大乗経典に関説されており、その教えはインドからアジア全域に広く流布した。とくに中国、日本においては、念仏によって阿弥陀仏の浄土に往生して悟りを得ることを願う教えを浄土門と称し、また他力(たりき)の教えともよび、仏教の一大系統を形成するに至った。

浄土宗、浄土真宗(または真宗)、融通念仏宗、時宗などの諸宗派はみなこの系統に属している。

PAGE TOP